硯は墨をするのになくれはならない用具ですが、硯の良し悪しで、すった墨の墨色が良くも悪くもなりますので、やはり選び方には充分注意が必要です。

硯石はめったにない貴重なもので、その辺の石なら何でも良いというわけにはいきません。

墨をおろす硯は、あまり硬くてつるつるではいけませんし、石の粒子が粗く、すった際に墨と石質が混じってしまうようではよい硯とはいえません。

ほどよい硬さで、石質がするとけることなく、墨がほどよくおろせるものでなければなりません。

そのためには、石の中の鋒鋩というものが、ほどよく混じり合っていなければならないのです。

鋒鋩とは、石英や銅、鉄などの小さな結晶で、これが墨をする際におろし金のような役割を果たしています。

鋒鋩があまり粗く、たくさんありすぎると、墨が早くおりる代わりに、ドロリとしてしまいます。

反対に、鋒鋩が細かすぎると、いつまで磨っても墨がおりず、つややかな墨色が出ないこととなります。  

■生産地別



中国

端渓硯・澄泥硯・歙州硯・とう河緑石硯
松花江緑石e.t.c 朝鮮 渭原硯・鐘城硯・大同江硯・海州硯e.t.c



日本

赤間硯(山口県)・高島硯(滋賀県)・玄昌硯(宮城県)

雨畑硯(山梨県)蒼龍硯(高知県)・竜渓硯(長野県)

那智硯(三重県)・紅渓硯(宮城県)e.t.c

 ■硯の形


長方硯


最も一般的な硯の形です。

円硯


円形の硯です。

方硯


正方形の硯です。

板硯


海がない板状の硯です。

天然硯


石の自然の形を残した硯です。

太史硯


高さ10cmくらいの長方形で、裏面を左右残して削り取った硯です。

挿手硯

太史硯の厚みを薄くしたものです。